2008年03月17日

エアリアル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

エアリアル(Aerial)は、空中演技を競うスキーのフリースタイル競技の1つ。長さ160cm程度のスキー板をはいて空中に飛び上がり、宙返りをして着地するまでの短い競技である。英単語としてのエアリアルの意味は「空中」などを指す。

スキージャンプのジャンプ台を小さくしたようなコースの踏み切り位置に、キッカーと呼ばれる人工のジャンプ台を置いている。キッカーは3回転用のビッグキッカー、2回転用のミディアムキッカー、1回転用のスモールキッカーが用意されるが、国際試合では難易度の低い1回転ジャンプを飛ぶ選手がいない場合スモールキッカーが用意されない場合もある。逆に日本国内の試合では難易度の高い3回転ジャンプを跳ぶ選手が少なかったり、エアリアルサイトの広さの関係でビックキッカーが用意されない場合もある。国際試合では、通常ビッグキッカーやミディアムキッカーは微妙に飛び出し角度のことなる複数のキッカーが用意される。これらはカナダ、アメリカ等の有力国のキッカー作成監督者シェーパー(多くの場合コーチが兼任する)がスコップを使って飛び出し角度の微調整を行っており、シェーパーに応じて「カナダ台」「アメリカ台」等と呼ばれる。

着地はスキージャンプと異なりキッカーのすぐ後ろになるため、キッカーの奥は急斜面のランディングバーンとなっている。さらに着地の衝撃を和らげるため、ランディングバーンは人手でスコップによって深さ50cm程度掘り返されて柔らかい状態にされる。この掘り返し作業をチョッピングと呼ぶ。

なお、エアリアルはその特性上何の練習もなしに飛ぶことは極めて危険である。そのため日本では、練習には全日本スキー連盟のスキー認定で2級程度の技術がなければならない。また、技術を持っている場合でも、白馬や猪苗代・北海道にあるウォータージャンプ台で夏場に練習してエアリアルの技術認定をもらわなければ実際に雪上を滑ることはできない。
ラベル:エアリアル
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