2007年05月22日

職人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大阪の町工場の職人職人(しょくにん)とは、自ら身につけた熟練した技術によって、手作業で物を作り出すことを職業とする人のことである。江戸時代の士農工商の「工」にあたる。
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産業革命以前には、職人が生産活動の中心となっていた。技術は主に徒弟制度のよって伝承されており、職場を訪ね親方の許しを得て弟子入りし、年季奉公をすることが通例であった。技は手取り足取り親方が弟子に教えるのではなく、簡単な作業や雑用を行う合間に盗むものとされ、一人前になるには数年から数十年を要する場合すらある。

しかし近年の社会情勢や地域産業の変化、または生活様式の変化にともない、従来の徒弟制度のあり方も変化してきている。これまでの厳しい徒弟制度の下で職人を目指す若者は激減しており、そのため技術の伝承のためには大きな変革を迫られている。特に建築分野での衰退は著しい。その主因は、近年海外から輸入されたツーバイフォー工法や、プレハブ工法などをはじめとする伝統的技術を要しない簡便な建築工法を主体とする大手ハウスメーカーなどの強力な営業力の前に、世界でも類例を見ないほどの高い技術を徒弟制度により綿々と受け継いできた伝統的日本建築が駆逐されたことが大きな原因であり、文化的にも大変深刻な問題といわざるを得ない。

現在では、手工芸品(特に伝統的工芸品)を作る人や大工・左官・庭師などが職人と呼ばれる。歴史的に日本では職人を尊ぶ伝統がある。朝鮮より渡来した陶芸工や鉄器鍛治は士分として遇された。

職人の持つ技術は職人芸とも呼ばれる。

職人気質(しょくにんかたぎ)という言葉がある。これは「自分の技術を探求し、また自信を持ち、金銭や時間的制約などのために自分の意志を曲げたり妥協したりすることを嫌い、納得のいく仕事だけをする傾向」、「いったん引き受けた仕事は利益を度外視してでも技術を尽くして仕上げる傾向」などを指す。日本では、こうした昔気質を持つ職人が高度経済成長期の頃から減少したといわれる。

また、名工の中にはいわゆる人間国宝に認定されたり、叙勲される者もいる。手工芸分野の人間国宝には、日本工芸会の推薦が必要とされている。その他職人に対する大臣表彰や地方自治体表彰などもあるが、すべて本来の優れた職人像とはかけ離れているという異論もある。
posted by room at 19:59| 職業のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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